昨日の友は今日の恋人!?～甘い視線で迫られて～

安上がりって何よ。

何だかいつにも増してカチンとくるわ、この男。


「ああ、そう。三十路に足を突っ込む女は、お金掛けて婚活パーティでも行けってこと？」

ムカッとして文句を言った口に、奏多の長い指先が伸びて来て、エイヒレを押し込まれた。

私の口の中は、エイヒレとたっぷり七味のマヨネーズが合わさってネトネトになった。

「……マヨネーズ付け過ぎ」

「マヨネーズってさ、付け過ぎると素材の味が分からなくなるよな。ことに個性の無い素材なんかは」

そこで言葉を切って、奏多はニヤリと笑う。

「……それって、紫乃の付き合って来た男達と同じだよな」

「何それ」

マヨネーズと何の関係があるっていうのよ。

「どうせお前の選ぶ男達は、紫乃のラブラブマヨネーズに怖じ気付くんだろ？」

「はあ？！ ラブラブマヨネーズって何よ？ 」

「わざわざ味の薄い男を選ぶんだよな。お前の味が勝っちゃう様な相手を」