昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
「私のピュアな愛情を掛け過ぎのマヨネーズと一緒にするなっ!」

もうっ、分かるような分からないような、変な理論を吹っ掛けないで貰いたい。

「そのピュアさが曲者なんだよ。お前の選択基準じゃ長続きしないままだね」


奏多は私のお猪口を満たした後、手酌で熱燗を継ぎ足す。

この徳利、何本目だっけ。7本? ……8本?

酒が進むに従って、奏多に痛いことを言われてる気がする。

いつもストレートな物言いをする奴だけど、今日は酷い。


確かに私の愛は、重いのかもしれないけれど。

愛したいし愛されたいのは、自然な欲求だと思うのに。


「……桜の彼友に期待しよ」

小さい声で呟くと、奏多に鼻で笑われた。

「ムリだって」

「さっきから喧嘩売ってんの?」

「いや。……寧ろ勝負を挑みたいかなと」

お猪口の酒を軽く飲み干した奏多は、テーブルに法杖を付く。

そして、視線だけを私に向けて低い声で囁いた。

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