cherry~甘い蜜~Ⅰ
「今日は俺家まで送っていけねーや」
ジンが言う。
ジンはいつもは家の前まで何があっても
どんなときも送ってくれる。
その時私の脳裏に浮かんだのは
ナナというおんなのこだった。
「ねぇジン?」
「ん?」
「ずっと一緒にいてくれるんだけ?」
「あたりまえだよ」
「そっか」
私の泣きそうな顔を見てジンは
私を優しく抱きしめた。
それはとてもあたたかくて
どこか冷たかった。
「泣きたい時に泣け俺がそばにいるから」
そんな言葉に私は
ジンがすき。
そう確信した