cherry~甘い蜜~Ⅰ
「ユズキおいで」
いつも言ってくれるその言葉に
私は今まで考えすぎていたのかと
一瞬で心が晴れた
「ここおいで。」
そう言って手招きしたのは
私の特等席と呼んでいるジンの膝の間。
幼い子供のように私はよろこんだ。
「心配したよ大丈夫?さっき電話したときツレといたからゆっくり話せなくてごめんな」
なーんだ。
私の考えすぎだったんだ
ジンは私の事
忘れていなかったんだなんて思った。
「ジン久しぶり」
口下手な私は会いたかったよなんて
言えなかった。