無敵な彼女



「姫乃が嫌がってんでしょ。とっとと消えろよ」


顔も知らないチンピラ共にそう吐き捨てる。


「ああ!?んだテメエ!!」


「お前には関係ねえだろが!!」


私の言葉遣いにキレたのか、男ふたりが怒鳴った。


だけど……ここで逃げ腰になる私じゃない。


髪を下ろし、メガネを外して、自分が最強暴走族「月影」の娘だとばらすのもいいかもしれない。


そうすれば、男たちは顔を青くして逃げて行くことだろう。


でも……


それじゃあ、おもしろくないよね。






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