無敵な彼女
高校生活初日、もう最悪としか言いようがない。
無事学校にはたどり着けたものの、すっかり迷ってしまった。
「この学校……無駄に広すぎるよ~……」
目をウルウルさせながら、姫乃が制服の袖をつかんでくる。
「まあ、一応金持ち校ですから……」
周りをキョロキョロと見渡してみる。
さっきまで、あんなに学校の生徒で賑わっていたのに……
こっちか、あっちかと自分たちの教室を探しているうちに、すっかり人気のない校舎へとたどりついてしまった。