無敵な彼女
後ろへと倒れかけた私の体を支えているのは……ひとりの男。
長めの黒い前髪から、切れ長の鋭い視線がこちらを見下ろしている。
覚めた目…。だけどどこか力強くて……目が離せない。
ネクタイはしてなくて、はだけたワイシャツの胸元からシルバーネックレスがキラリと光った。
校章の縦線の色は、どう見ても自分と同じ色。
つまり同じ新入生……
一目見て思った。
美しさと、そして、野獣を混ぜたような男……。