無敵な彼女
「なにって……イメチェン?」
敢えてなんてことなように答えながら、私は朝食の並べてある食卓へと腰を下ろした。
置いてあったコーヒーを一口飲む。
母が心底呆れたように言った。
「イメチェンって、ならもっとましな格好にしなさいよ。あんたそんなキャラだったっけ?膝下10センチに無駄にデカい黒縁メガネ……」
コトリと、焼きあがった食パンを乗せたお皿が目の前に置かれる。
「にがっ」
そんな奇怪なものでも見るような母の視線と言葉を無視して、コーヒーの中へと砂糖を流し込んだ。