LOVE School LifeⅡ【完結】
「体育館裏」
「……」
秋人はそれを聞くと黙ったまま、踵を返す。
そんな秋人の腕を咄嗟に掴んだ。
「愛ちゃん。離して」
「……嫌だ」
秋人が鋭い視線を送って来るが、私は腕を離さない。
今行くのは、秋人じゃない。私だ。
「今、秋人が行っても火に油を注ぐだけだと思うけど」
「……」
「私が当事者なんだけど」
「でも、俺が原因だ」
「だけど、私が当事者。被害者。秋人は第三者」
「……」
「やられたのは私。だから、私がケリつけてくる」
「沙紀が愛ちゃんに……何をするかわかんない」
秋人はそう言うと、更に眉間に皺を刻んだ。
だろうね。
あんな悪意のある黒板の落書き。
それに、上履きを盗ってみたり。
私がいたにも関わらず、キスしてと言えるような子だ。
男子を使って、呼び出したって事は。
何をしようと思ってたかなんて、想像に難くない。
だけど。