LOVE School LifeⅡ【完結】
本間は手を離さずに私を見ると、
「ああ言っておけば楽じゃん。沙紀と揉めてたなんて言えないでしょ」
そう言った。
確かに。
確かにそうだ。
沙紀さんとの事を言えない。
言うつもりもないけど。
本間と何かがあった風にとられるのも、めっちゃ嫌だわ!!
不服だ!!
そう思った私は、恨みも込めて本間の手の肉を思いっ切り噛んでやった。
「いっでえ!!」
「本間が悪い」
「愛ちん、今日酷くね?暴力的。DVですか」
「私はセクハラとして訴えてやる」
「うわ、最悪です、それ」
「いいから、ラブと清二、中に入れ」
ぎゃあぎゃあする私と本間に割って入ったのは、結城学級委員だった。
その声は恐ろしく低くて、冷たい。
私達はすぐに頷くと中へと入った。
結城の奥には有紗に由紀に翔子。
三人とも心配そうに私を見つめている。
「愛、大丈夫だった?」
「うん、全然」
沙紀さんは結構、手強かったけど。
それでも、好きだって気持ちがわかるからな。
「沙紀には謝罪させてたよ、秋人が」