LOVE School LifeⅡ【完結】
そして、そんな私を置いてさっさとファミレスから出ようとしてる結城。
出入り口の扉を開けながら、こっちを見ると
「ラブ?置いてくよー?」
なんて、声をかけて来た。
やっと理解した。
嘘だったわけだ。
財布を失くしたっていう事自体。
とりあえず外に出ると、私は結城の背中を思いっ切り睨みつけた。
「……どういう事だ」
かなり怒りを抑えた声だったと思うけど。
失くしたっていうから、私は慌ててファミレスに走って来たのに。
心配も一応したのに。
そりゃ元気に決まってるわ!
失くしてないんだから!
まんまと結城に騙された自分にも腹が立つ。
結城は舌を出すと、おどけて言った。
「だって、ラブ、ああでも言わないと絶対来ないじゃん?」
「当たり前だろ!」
「ごめんって。俺、ラブと一度ちゃんと話ししたかったし」
「出来るじゃんか。嘘つかなくたって」
「無理無理。あっきーのガードは相当固い」
ケラケラ笑いながら、結城は否定する様に何度も手を振る。