LOVE School LifeⅡ【完結】
秋人の心にずっと住み付いてる人がいるのはわかってる。
だけど、今だけは私、ただ一人を想ってくれてるんじゃないかってそう感じるから。
後でバカだなって思うんだけど。
それでもいいって思えるぐらい、今が幸せだから。
そんな私達の穏やかな空気を切り裂く様に、障子がスパーンっと開く。
そして。
「秋人ー」
やって来た男、――――瞬。
瞬も、私も、秋人も。
時間が止まったかの様に、ただお互い見つめ合って固まっていた。
最初に言葉を発したのは、瞬だ。
「……邪魔した」
そう言うと、踵を返して帰ろうとするから慌てて秋人が呼び止めた。
「ちょ!瞬!待てよ」
その声にぴたっと動きを止めると、こっちに顔だけ向ける。
「……」
瞬の顔は明らかに嫌そうで、見るからに嫌そうで、呼び止めたこっちが思わず謝りたくなるほどだ。
全くこっちは悪くないし、寧ろここは秋人の家だ。
何でこうも堂々としているんだ、この男は。
そんな態度でいられるこの男が不思議でしょうがない。