LOVE School LifeⅡ【完結】
秋人が来るなら凄く帰りたいけど、でもどうせ話をしなくちゃならない。
それなら早い方が確かにいいのかな。
それから私は秋人が戻って来るまでの間、ずっとそわそわしていた。
瞬は至って普通に漫画を読んでたけど。
多分、私の事なんか見えちゃいないよ。あの人。
どう話そうと何度も頭の中で整理するけど、うまくいかない。
心臓がさっきからドキドキとうるさい。
静かだから、私の心臓の音が瞬にも聞こえてるんじゃないかと焦るぐらい。
本当に静か。
だから、秋人が来た事なんてすぐにわかる。
遠くから微かに足音が聞こえた。
庭の砂利を踏む音。
それから、廊下を歩く音。
それは、遠慮がちでゆっくり、だけど確かにこっちに近付いて来る。
きっと、秋人も戸惑っている筈なんだ。
今は顔も見たくないかもなのに。
や、やっぱり帰った方がいい?
「しゅ、瞬?」
「……」
顔面蒼白で私は瞬を呼ぶ。
瞬は顔を上げると、ちらっとこっちに視線を寄越した。