LOVE School LifeⅡ【完結】
「さてと。俺は帰るか」
秋人が来たのを確認すると、瞬は漫画を閉じてそれを元にあった場所に戻しながら立ち上がった。
私の方を一度も見る事なく、瞬は秋人の元へと向かう。
それから、秋人の横に並ぶと。
「んじゃ、また来る」
そう言って肩をぽんっと叩いて部屋を出て行った。
瞬の足音が遠ざかっても、私と秋人は口を開く事はない。
まだ、秋人は入り口に立ったまんまだ。
もしかしたら、私に近付く事すら躊躇っているのかもしれない。
それなら、ちゃんと私から伝えよう。
「あの、」
「あのさ」
そう思って、口を開いた時秋人と声がかぶった。
ばちっと視線がかち合って、すぐに秋人に視線を逸らされる。
ズキッて胸が痛んだ。
「何?先いいよ」
痛みを誤魔化す様に、少しだけ笑うと私は尋ねた。
「いや、先に愛ちゃんいいよ」
「……」
「……」
「……それじゃ、私から」
「うん」
「その前に秋人、座らない?」
「え。あ、うん…」
驚いた顔をした後、頷くと秋人は私から少し離れた場所に座った。
そんな些細な事にも傷付く私。
バカだな。