LOVE School LifeⅡ【完結】
今日だけは許してやる。
今日だけは。
ぴたって立ち止まると、私はくるっと振り向き、目をぱちくりとさせる秋人の目の前にずいっと手を出した。
それから一言。
「手」
「え」
いいから、早く手を出せと言わんばかりにわしゃわしゃと手を動かす。
やっと意図を理解した秋人は、笑いながらその手に自分の手を絡め合わせた。
「本当に、愛ちゃんってツンデレ」
「違います」
「いや、そうだって」
「うるさい。そろそろその口、縫い付けるぞ」
「……!!」
うぐっと口を噤み手を当てると、秋人はやっと静かになった。
学校に到着して、秋人と別れると教室に入った。
まだ結城と本間は来ていないようだ。
「お。雪村じゃん」
そう言って私に話しかけて来たのはタムっちだった。
いつも通り、爽やかな笑顔をその顔に乗せている。