LOVE School LifeⅡ【完結】
「……聞いたんです。結城から」
「何を」
「結城を好きな事にしてくれって結城に言ったって事」
「!!」
麗さんは驚いた顔を見せると、静かに視線を伏せた。
それから小さく舌打ちをした。
「あいつ、よりによって愛に話しやがって」
それは、全てを肯定する言葉だった。
「それじゃあ…」
私の体が前へと動く。
麗さんに近付こうとする。
だけど、それを麗さんが制止した。
「これでいいんだよ」
麗さんの顔から悲しさなんて見えなくって、どうしてそこまで優しい顔出来るんだろうって思えるぐらいに微笑んでいた。
諦めとか、そんなんじゃない。
麗さんは心から秋人の幸せを願ってるんだ。
一時の幸せに浸って、秋人を突き放そうとした私とは違う。
「どこがですか!!」
だから、自然と私の口からはそんな声が出ていた。
それは予想外に大きくて、麗さんは驚いた顔のままぽつりと「…愛」そう言って口を噤んだ。