LOVE School LifeⅡ【完結】
昇降口近くなって、沈黙を破る様に私は秋人に尋ねた。
「今日引っ越し私も手伝っていいかな?」
「え?」
「あ、ダメだった?」
笑顔を作ってそう返すけど、秋人はキョトンとしていて私をまじまじと見つめる。
「……どした?」
「え、いや、昨日姉貴と話ししたっていうからてっきり聞いてるもんだと」
「……何の話?」
秋人はバツが悪そうに、頬をぽりぽりと掻いた。
「昨日の内に姉貴、家を出て行ったから」
「は!?」
だって、今日って言ったじゃん!
何で昨日に出てってるの!
何それ何それ。
聞いてない。
聞いてないよ、麗さん。
「知らない!」
「そうなの?やっぱ今日行くわー。って友達呼んで家出てったよ」
「……そんな」
まだ秋人に話してないのに。
秋人はまだ何も麗さんに伝えてないのに。
ぐいっと私は秋人の腕を引っ張ると、昇降口でなく校舎裏に秋人を連れて行く。
なるべく人のいない場所で話ししたかった。