LOVE School LifeⅡ【完結】


昇降口近くなって、沈黙を破る様に私は秋人に尋ねた。


「今日引っ越し私も手伝っていいかな?」

「え?」

「あ、ダメだった?」


笑顔を作ってそう返すけど、秋人はキョトンとしていて私をまじまじと見つめる。



「……どした?」

「え、いや、昨日姉貴と話ししたっていうからてっきり聞いてるもんだと」

「……何の話?」


秋人はバツが悪そうに、頬をぽりぽりと掻いた。


「昨日の内に姉貴、家を出て行ったから」

「は!?」



だって、今日って言ったじゃん!
何で昨日に出てってるの!


何それ何それ。
聞いてない。


聞いてないよ、麗さん。



「知らない!」

「そうなの?やっぱ今日行くわー。って友達呼んで家出てったよ」

「……そんな」



まだ秋人に話してないのに。
秋人はまだ何も麗さんに伝えてないのに。


ぐいっと私は秋人の腕を引っ張ると、昇降口でなく校舎裏に秋人を連れて行く。
なるべく人のいない場所で話ししたかった。
< 314 / 319 >

この作品をシェア

pagetop