LOVE School LifeⅡ【完結】
「……私は麗さんの気持ちを知って、何も知らない振りをして秋人と付き合うなんて出来ない」
「それって、別れるって事?」
「違う、でも、秋人には本音を伝えて来て欲しいんだよ」
「だからそれが今更なの。それに姉貴は今新ちゃんが好きなんだよ?」
「それも嘘なの。麗さんは結城を好きだった事なんてない」
「今更そんな話聞かされたって信じられない」
「事実だよ、それは。結城から聞いたんだから」
「は?し、んちゃんから?」
結城の名前が出て、秋人の目が見開いていく。
まさか、ここで結城の名前が出るなんて思ってなかったんだろう。
「言われたんだって。初めて体を重ねた日に、愛する人とはもう実らないからって。
だから、これからは結城を好きって言わせてって」
“私には生涯愛する人ってのがいるんだ。
だけど、もうそれは叶わないから。
だから、お願いって”
秋人の手首を掴む手が微かに震えていた。
戸惑いと、驚きで声にもならないらしい。
「麗さんは、秋人に別れを告げてから今までずっと秋人だけを愛し続けていたんだ」
「……」
「秋人が幸せならって自分の気持ち押し殺して」
「だからって俺にどうしろって言うんだよ!!」
秋人の悲痛な叫び声。泣きそうな顔。
だけど、私は手を伸ばさない。