LOVE School LifeⅡ【完結】
…秋人の香りがする。
ああ、やっばい。ドキドキして来た。
シンと静まり返る図書室。
私の心臓の鼓動が部屋中に響き渡りそうな気がする程、うるさい。
私の首元に顔を埋めて秋人は強く抱き締めるだけ。
驚きで、涙も引っ込んだよ。
もう、離して欲しい。
心臓もたない。
「……あ、きと?」
何も言わない秋人を呼んでみるが、やっぱり返事はない。
どうにか距離を取ろうと、腕に力を入れてみる。
だけど、更に秋人は抱き締める力を強めた。
「愛ちゃん」
「……ん」
「さっきの本当?」
「さっきのって何?」
「俺を、好きっての」
「…………」
もう一度、言えって言うのか。
さっきのは流れだったから言えたけど、この状況で更に二人きりだし。
ハッキリと言うのは恥ずかしいというか。
ドキドキとしているから、変に緊張する。