LOVE School LifeⅡ【完結】
「秋人ね、昔はさ。大人しかったんだよねえ。
今でこそ、あんなだけど」
「え。そうなんですか」
「そうそう。私の後ろから出て来ない様なヤツだったよ」
「信じられません」
まじで今の秋人からは信じられない。
その時の事を思い出してるのか、麗さんはくくっと喉を鳴らして笑うと続けた。
「だろうな。私はおてんばだったから、よく秋人を連れ回したよ。
公園とか、川とか山とか。
それで…母親に叱られたのはいつも秋人だったな」
「……」
「まあ、もちろん私も母親に対していつもぶち切れてたけどな。
秋人、それでも受け入れて貰おうと頑張ってたんだよ。
どうしたって無理なのはわかってたけどな。
言えねえだろ?純粋に無邪気に頑張ってるのに」
ははっと自嘲しながら、麗さんは一度髪の毛を掻き上げる。
その顔はとても悲しそうだ。