LOVE School LifeⅡ【完結】
「俺さー、急に親がいなくなって、周りには大人ばかりで。
子供心ながら色々な事が怖かったんだよね。
そんな時に、姉貴が笑ってさ。
『どっか行く?』って連れ出してくれたんだ」
「うん」
「俺、それまで活発って感じじゃなかったから姉貴の後をついて行くのは結構大変だった。
でも必死でついてったよ。
その時から姉貴はキラキラしてて、俺に見た事もない景色を見せてくれた」
「うん」
「抜け出した時は、俺がお義母さんに怒られるんだけど、決まって姉貴が反論してくれた。
それで、必ず秋人は悪くないって守ってくれた。
聞く耳持たないお義母さんと、姉貴の折り合いはどんどん悪くなってった。
俺がいるからだって思ったよ。
俺が生きてるから、ここにいるから。だから、姉貴とお義母さんの仲まで悪くなるんだって」
「……うん」
「姉貴にそれを言ったら、めちゃくちゃ怒ってさ。怖いのなんのって。
でも、泣いてくれたんだ。俺の為に。
それから、ああ、この人を泣かせない様に生きようって思った」