LOVE School LifeⅡ【完結】
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「ありがと」
家の前まで来ると、私は秋人にお礼を言う。
秋人は首を振って笑った。
「俺こそ、ありがとう」
「ううん」
「…愛ちゃん、明日迎えに来てもいい?」
「うん」
「よかった。断られると思った」
嬉しそうにはにかむ秋人に、ふふっと笑みが零れる。
「それじゃ。明日、ね」
「うん、バイバイ」
手を振って別れを告げると、私は玄関の扉を開けた。
それから、自室へと向かう。
……今日、少しだけ秋人の事を知った気がする。
どうして、あんなに泣きそうな顔をして笑ってるのかとか。
朝早く出て来てる理由とか。
麗さんを好きな事とか。
弱くて脆くて、今にも崩れそうなとことか。
そんな秋人の事を考えると、また涙腺が緩む。
この涙の理由なんて、わからない。
わからないよ。