LOVE School LifeⅡ【完結】
「まあ、そうじゃなくても冬にいい思い出ってないんだよね」
「そうなんだ」
「聞いたよね?俺のお母さん死んだって」
「うん」
「…死んだの、冬だったからさ」
「……そうだったんだ」
毎年、その時期になったら思い出してしまうんだろうな。
きゅうっと繋いだ手に力を込める。
自然と私の眉間に皺が寄って行く。
「あ。でも今年の冬は、愛ちゃんがいるか」
秋人は思い出した様に、そう声を上げた。
「クリスマス、どこ行こうか」
「気が早い」
「えー?そう?俺、愛ちゃんのクリスマス予約するから!」
「え。許可するなんて一言も言ってない」
「……そんな」
がっくしと肩を落とす秋人。
この世の終わりみたいな顔で、面白い。