ミステリー
家に着くと理代は自室で、光からもらった紙袋を開けた。


中には、新発売のLASAのシャンプーとリンス、化粧水、洗顔フォーム、リップクリームが入っていた。



『中瀧くん、
私にこれをくれるなんて。』


理代は、入っていたものよりも
光の理代への気持ちの方が嬉しく仕方なかった。



よし、これ使ったら、
少しは、おしゃれというか
可愛い私になるかな。

中瀧くんにふさわしい、とまではいかなくても、
それなりに可愛くなるかな。




理代はお風呂で、光からもらった
シャンプーや洗顔フォームを使った。


お風呂上がりに、洗面台で髪を乾かし終わると。


なんだか、髪がとても美しくつやつやになっていた!

肌もなんだか、美しくなっている。


『うそー、これが、私??

中瀧くん、ありがと。』


理代は嬉しかった。


理代はベッドに入ると、ふと、中学時代のクラスの女の子たちの夢を見た。


中2,3の時一緒のクラスだった、可愛いうえおしゃれで料理上手で編み物も軽々と出来、
元気で陽気な
女子っぽい女の子たち、湯沢さん、小笠原さん、白鳥さん、近藤さん、田中さん、穂菜美さんは、
他人と打ち解けるのも、話も上手じゃなく、そういう私にもとっても優しく親切でかなり良くしてくれた。

それなのに私恩返しも出来なくて
ありがとうも言えなかった、せめて言えたらよかった・・・・・ありがとうとだけでも、
よくしてくれて、ありがとう、
優しくしてくれて
親切にしてくれて
ありがとう
話してくれてありがとう
と、だけでも、なぜ、言えなかったのだろう。
言えたらよかったよ、それだけでも…


他人と打ち解けるの上手じゃなくて口下手なほうで、人見知りな私にでも親切だった・・・・


特に湯沢さん、白鳥さん、小笠原さんが、私が放課後に
テニスの貴公子のコミック読んでた時。


湯沢さんが、理代ちゃんそれテニスの貴公子?て聞いてくれた。

本当は、いろいろテニスの貴公子の話とかして楽しく盛り上がりたかったけど私
そのときせっかく、せっかく話しかけてもらえたにもかかわらず
うんとしか言えなかった・・・・。
もっと、湯沢さん達と話せれば、良かったし、自分から前に進めたらよかった。


後、近藤さんはいつも学年トップで、中2の後期に生徒会長、中3の前期には安全委員長を務めてた上に、剣道部の主将だったし、剣道部を全国ベスト4も導いたし、まさに才色兼備は彼女のためにある言葉だろうな、と
理代はひそかにあこがれを抱いてた。
それに、近藤さんのポニーテールの長いまっすぐな黒髪は同性の理代から見ても魅力だった。


彼女は卒業後は隣の県の名門高校へ進学したっけ。
一回、何かの時に一緒にお弁当食べたっけな。

そのことを両親に話すと、
学年トップで生徒会役員も務めてて部活でもエースの近藤さんが、
あんたともお話ししてくれるんだね、
あんたとも話してくれるんだね、
あんたとも仲良くしてくれるんだね
とよろこんでくれたっけ。
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