ミステリー
一時間目の後の休み時間、
クラスの歌音(かのん)とりりあが
理代に話しかけてくれた。


『理代、その男の子の友達って
かっこいいの??
どこで知り合ったの??』
と、歌音。

『その男の子、どこの学校??』
と、りりあ。


『かっこいい上に、
あの聖城高校の人なんだ。
市立図書館で、声をかけてくれたの。

中瀧くん、ていうの。』


理代が答える。

エル、綾、由美以外の人から
用事以外で話しかけられたのは、
これが初めてだったので、
理代は言葉では言い表しきれないほど、深く、
嬉しかった。
エル、綾、由美なら、初対面の人ともすぐ親しくなれるしなあ。
エルは自分のこと、理想高いうえに
人見知りなほうだ、っていうけど、理代からみたら十分すぎるほど社交的にみえる!


そして2時間目が始まったので、
国語担当の皆藤薫先生(かいどうかおる♀、37歳、小1の娘がいる)が入ってきた。
しかし教室内はまだまだちょっと騒がしい。

「あらあら、このクラスって本当
男の子と女の子仲良いのねえ。
入学式の後の学習合宿で、
合宿所の浴室も男女混合なら、
よかったわねえ」
と冗談混じりで皆藤薫先生が言うので
クラスの、伊藤真純と湯沢保奈美、今藤みづほが
「男子入ってきたら、殺すから!」と、
怒り出す。

理代も、冗談がきついよと思った。
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