ミステリー
スイーツセットを、2人が食べ終わると。
今度は一幸と悪魔で交互に
、大手アニメ会社サンライブ(世界98か国で放送されてて、しかもアニメ作品のコミカライズ本の売り上げもかなり高い)の人気作品『ジェイデッカー』『ゴルディラーン』『ダグオン』『ナイトガイン』『ダガーン』『エクスカイザー』『ガオガイゴー』『ファイバード』『ゴッドラン』『完全無欠ライジンゴー』『元気最強ガンバルゼー』『熱血爆発ゴウザウラー』の主題歌を入れ、採点機能付きで歌ってった。
どれもなんと、98点!

それらの主題歌の再生とともに、それぞれの作品のアニメ映像も流れた。

一幸は歌いながらいつの間にか号泣してた。

『おいおい、どーしたんだ?
そのアニメ映像に感動したのか?
ま、俺もそうなんだけど。
ゴッドランのフィナーレは
なおさら、よかったよなー!
周りと馴染めないお友達がいても、仲良くする気持ちを持って欲しい、良い部分も見つけて欲しい、て、伝えたかったんだろな。
つーか、改めて見ると、やっぱ、
サンライブの作品のロボット、どれもカッコいーよな。俺的に、ゴウザウラーのロボットデザインが、一番ハンサムだな。
まるで俺のようで。
ロボットのイケメンコンテストでぶっちぎり優勝だろーな!』

悪魔が一幸に隣のトトロの、かわいらしいハンカチを貸す。
悪魔の目も少し潤んでいる。


『僕中3ときいじめられてて、しかも
担任にまだ存在人格否定されてたから
そのいじめる人へも腹立ってて今も許せないが、でも同時に自分も責めてたよ、
自分はいじめに、いじめなんかに、
勝てないことも情けなくて悲しんでて悔いだったよ。だから
ピンチも切り抜けられる勇ましくたくましい勇者になりたかったし、彼らのように勇ましく優しい逞しい勇者、なりたかったな。
あと、スラムダンクも、感動するな。
どんなピンチでもたくましくいられる、どんなピンチでも勇ましくたくましくいられるスラムダンクのメンバー、とくに花道くんは永遠に憧れさ!
そうだよ、スラムダンクや勇者作品の主人公はみんな、カッコよくたくましく勇ましくまっすぐでめちゃ優しい人たちだよ、憧れなヒーローだよ!彼らのように勇ましくたくましい真っ直ぐな人たちばかりならば、いじめなんかないのにな!
僕、花道くんと友達相棒なりたいと思ってたよ。あと、ドラゴンボールの主役も大好きで相棒なりたいな。ドラゴンボールの主役、も、めっちゃたくましく優しい勇ましい人だよ!あと、
ツーピースのメンバーもレイアースの3人も
、バンターバンターとかフリーチの
メンバーもまっすぐで優しいなあ!
花道くんは、自分が女子なら、惚れてたよ!頼もしく真っ直ぐでたくましく優しい人が、
僕も好きだよ!』

と、一幸は泣きながらいう。涙が止まらぬよう。
以前の悲しい暗い自分と
たくましく勇ましく優しい憧れの主役やヒーローたちを比較し、辛くなってるのだろう。そんな経験はほとんどの人に大なり小なりあるであろう。


『そっか、おまえもたいへんだったよな!つか、いじめる方が全て悪いと思うぜ?他の人がいじめられたり、意地の悪いことされてなくて自分だけいじめられてたら尚更、辛くもなるよなー。
小中高では、学業より、
そういうことまず、教えるようになるべきだぜ、
嫌いな奴を、普通に嫌う、普通に遠ざかる程度なら、本当はいい奴だと思えるがな。俺、許せる範囲も器もめちゃくちゃ広い方だし俺はルックスだけでなく中身が備わった男だし!

まわりのやつにもさ、正義のヒーローになれとは言わないけど
助けてあげるため動いてほしいよな!
んでもよ、ひとにしたひどいことって
いずれ跳ね返るものだぜ!
そいつにもきっと跳ね返るんだぜ!
つーか、そういうふーに、存在人格否定するって、いじめの中でも一番酷すぎだよな、
プロレスまがいの技かけたり、そうやって、身体的に痛めつけるのも最悪だけどな!』

と、悪魔が一幸の肩にそっと手を置く。

次は一幸は、スラムダンクの主題歌を歌い、アニメ映像での主人公たちの勇姿を見ながら、感動し号泣しながら、歌っていた。

悪魔は、そういう、悲しい時もあるのは仕方ないだろな、と思い、一幸の歌を聞いていた。

一幸は、スラムダンクの歌を歌い終わってからもしばらく号泣してたが、やがて笑い、
僕も、スラムダンクのみんなみたいに勇ましくたくましくなりたいから、僕の中に昔の憧れのヒーローは、いっつもいるよ、と、迷いのない涼やかな口調で呟いた。




それからもしばらく2人は歌ってから、
カラオケを出た(悪魔の財布には、今日も万札がぎっしりだった。)



『悪魔くん、母さんに悪魔くんの事紹介しても、いい?
悪魔くん、大切な友達だもの。
悪魔くんさえそう思ってくれてるなら。』


一幸が悪魔に尋ねた。


『え、俺は別にかまわないぜ。
ただ、一幸の母さんが、悪魔の存在を、信じるかどうかはわからないぜ。』


と、悪魔。

『そうだけど、母さん悪魔くんにあったらきっと喜ぶと思うんだよ。
僕昔から、友達それほど多いとは言えないから。
まして中3の時はいじめられてたし、
小1から中2の時も友達ほぼいなくて、たいていは一人だった』

と、一幸。


『そっか・・・・辛かったよな、
でもさ、これからはいいほうに変わるから、心配するな。


俺も悪かったよ、初めてお前と会ったときは、お前を誤解していたと思う。


でも本当のお前は、思いやりがあって芯の強さや粘り強さもあると思う。お世辞なんかじゃなく、本当によ!』


悪魔の瞳と表情はとても暖かだった。
ただでさえ、アイドルクラスのイケメンな悪魔がさらにイケメンに見えた。


『ありがとう、悪魔くんにそう言ってもらえるなんて。
ね、良ければ今日は僕の家に泊まってほしいな』


一幸が悪魔へ、ギュッと両腕で抱き付いた。


『そういうことは、次の恋人にしてあげろ。』

悪魔は言いながらも、まんざらでもない様子である。
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