ミステリー
その夜あきらは、ベッドに入るとすぐ夢の中に入った。

小学生くらいのあきらが、
自分の席に着く。

すると、あきらの元に
男子が何人かやってきて、
あきらに冷たい視線を向け、
蔑むように言った。

「てめ、なんでよそもののくせして日本にいるわけ?よそ者なら、自分の国に行け」
「そーだ、そーだよ、よそ者のくせして邪魔でウゼー」


あきらは、訳が分からず、すぐ反論すふ。


「僕は、生まれも育ちも、日本の、この町だよ。
なんで、よそ者と言われなきゃならないんだ」


すると男子たちは、
「くちごたえすんじゃねーよ、いっちょまえによ!
よそ者の分際で日本に寄生してるパラサイトのくせしてよ!」
といい、
あきらを床に無理やり突き飛ばし、
あきらを殴り始めた。


すると、担任らしき男性の教師が入ってきた。


「全く、またよそ者が問題起こしたのか、全くこれだからよそ者のパラサイトはいやだよ。よそ者のパラサイトには生きる資格なんてないんだよ、よそ者には人間扱いされる方も人間扱いしてもらえる資格もないよ」


男性の教師は、あきらを冷たい目で見ると、そういい、あきらをいじめた男子たちに注意さえしない。

それに、お昼休みに、あきらが白米だけの弁当を机の上に置き、食べ始めると、
あきらをいじめた男子たちが、わざとあきらの弁当箱を机へ落とした。

その男子たちは大笑いし、
ゴキブリのパラサイトには物を食べる資格なし、飢え死にしろ、と言い笑う。
あきらは悲しくて苦しく、泣きそうだ。

あきらは学校から家に帰ると、母親に聞く。

僕はよそ者なの?日本人ではないの?と。

母親は、
まっすぐあきらをみつめ、
そうなの、
わたしも父さんもあなたも、
本当は、日本人ではないの、
外国籍なの。

あきらは言葉が出ない。

そう、だったの。

「わたしと、父さんね、
仕事の都合で、日本へ引っ越してきたの。
だけど、まだ日本国籍を取得してないのよ。
私たちは外国籍なのよ」


そこでその夢が終わる。
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