ミステリー
そして、あきらが生まれる何ヶ月か前のころの話もしよう。


とある施設に、82歳の男性が数人と、102歳の男性が一人いたが、
その男性たちは、その施設へ入所する前、それぞれの家庭で家族から厄介者扱いされていた上、その施設に来てからも、他の入所者や職員から、厄介者扱いされたり、冷たく扱われたり、他の入所者が使った汚物まみれのオムツを顔につけられたり、食事もろくに与えられなかったり、蹴られたりつきとばされたり、殴られたり、していた。

その男性たちは、家庭でも施設でも厄介者扱いされることに不快感を感じてたものの、
昔自分たちがある人にしたこと、
昔自分たちがある人にした、あまりに理不尽なひどいイジメのことは思い出さないでいた。



その男性たちは、次々と施設で亡くなった。



妖精は、その男性たちを、
人間にかなり嫌われる虫、人間に嫌われる虫のワースト2に入るであろう虫に
生まれ変わらせた。


「あなた方は、自分らが昔人にした扱いを、思い出しもしないのですね。
昔自分らが、人にしたひどい扱いを、昔自分らが人に酷すぎる理不尽ないじめをしたことを、
昔自分らが人にどんな理不尽な酷いことをしたか、
思い出しさえもしない、


自分らが人に理不尽な酷いことをしたことを思い出しさえもしない人こそ、
生きる資格がありません。
自分らが人にした理不尽なこと、自分らが人にしたひどいことを、思い出しさえもしない人間の方が
生きる資格も、人間扱いしてもらえる資格もないのですよ。
あなた方にいじめられた人は、普通に生きてた、ただ
生きてただけ。
あなた方にいじめられた人は、誰かをいじめたことはないです、ただ、普通に生きてただけです。
あなた方にいじめられた人は、誰かをいじめたり、誰かをけなしたりしてません、外国人として生まれたというだけのことで、ただ普通に生きてただけです!

生まれを選べないときもあるということを、生まれを選べなかったという気持ちを、
何かが違うだけで、違いを持つだけで辛くあたられる傷の深さを
自分に選べなかったことが原因で辛くあたられたら不公平に扱われたり、冷たくされたりする気持ちを
知らせてあげます」


その男性たちはそれぞれ、とある家庭のキッチンに出没するとある虫や、
巣を作る、キモイといわれるとある虫に生まれ変わり、
その家の住人から、
「キモっ!やだー!やなもん見ちゃったわ、目が腐るわ!」
「とーさん、殺虫剤!
キッチンにこいつ出たの!」
「わっ!俺のチャリにこいつまたへばりついて巣をつくりやがった!
この殺虫剤で、やっつけてやる」
ここまでかなり嫌われ煙たがられ、
殺虫剤をこれでもかというほどかけられてしまい、もう動けなくなる。
動けなくなったのに今度は石を投げられたり、箒で叩かれたりする。





「前世の行いには
必ず来世で、報いが来るのです。」と、妖精。


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