ミステリー
その夜。
みりは自室で、眠る前に、ゆずの動物カルテノベライズ版の、1話を読んだ。
ずっと飼い主の男の子を守ってくれた母親みたいな大型犬が、人間で言えば80歳以上のおばあさんで、もう長くないため、飼い主の子は、今まで守ってくれていた大型犬を安心させるためにも、いじめっ子たちへ初めてひとりで立ち向かう、ていう筋書きである。
みりは読んでいるうちに、泣けてきた。
とくに、飼い主の男の子が、いじめっ子3人のうちのリーダー格の子に体当たりし、
『僕の飼い犬を、そんなふうに貶めるな!
僕はお前らなんかに負けない、二度と!』
と大声で叫び、
そしてリーダー格の子の胸ぐらを掴み、
怒りと悲しみに満ちた訴えるような眼差しで
『だって、僕が勇ましくならないと、リオン(飼い犬の名前)が安心して、天にいけないから!』
と叫ぶシーンでは、
涙腺が決壊した。
そのシーンでは、体も大きいうえ年上のはずのいじめっ子3人は、飼い主の男の子に圧倒されているし、リーダー格の子は、
『い、いてーじゃねーかよぉ‥』とつぶやく。
そして、リオンのかかりつけの獣医が、やってきていじめっ子たちにガツンと一喝するシーン、
いじめっ子たちが逃げたあと、リオンが最後の力を振り絞り、飼い主の男の子に抱きついてくシーン、
飼い主の男の子とリオンが抱き合って、二人で生きてきた大切な幸せな時間を思い出しているシーン(そのシーンの挿絵では、リオンは全て包み込むように、この上なく暖かな穏やかな眼差しをしていた)、
そして飼い主の男の子が、
『リオン、ずっと僕を守ってくれて僕のわがままも聞いてくれてたね。ゴキブリが出た時も守ってくれて、ずっと僕を包み込んで守ってくれてたね、
ずーっと。
ありがとう、
これが最後、いけ、リオン、僕もう平気だから、
安心して、天に旅立って!』
といい、リオンが目を閉じ、次の瞬間リオンの
両腕が飼い主の子から離れたシーンも、
本当に泣けた。
漫画とわかってても、それでも、
感動が止まらなかったからだ。
リオン、死んでしまったよ、リオン死んでしまったよぉ。わんちゃん死んでしまったよぉ。ワンちゃん、死んじゃったよぉ、ワンちゃん、死んじゃったよお、
せめて飼い主の子が成人式迎えるまでは生きてて欲しかったよぉ、
リオン、わたしもリオン、決して忘れないよ、決して、リオンのこと忘れないよ。迷わないで、天にたどり着いたよね。
あと、星守る犬のあのワンちゃんも
無事にお父さんのいる虹の橋の向こうの綺麗な場所にいったよね。(星守る犬は、みりのお父さんが持ってて、お父さんも泣いて読んでいた。
とくに、ワンちゃんが、キャンプに来ていた親子から薪を投げられ、
『僕の目はつぶれて、歩くのすらつらくなってきて、体も重たくなってきた。おとうさんのいる車へはやくもどろう』という
文章で、みるみる、お父さんもみりも堪えきれず泣き出した。
薪を投げつけられ、目がつぶれて歩くのもつらくなったなんて、ワンちゃんがあまりに気の毒すぎて。)
みりはしばらく(ゆうに300分)泣きつづけたあとベッドへ入る。ワンコが死んでしまったことが悲しすぎて。
ワンコは銀河系1優しい生き物なのに。
ベッドへ入ると、以前読んだミステリのヒロインのセリフも思い出した。
『死ぬなんて考えてはダメよ、生きてればきっと、やり直すことだってできるわ、だってあなたはまだ存分に、若いんだから!死ぬなんて考えては、いけないわ!』
探偵を名乗る11歳のヒロインが、犯人が自殺しようとした時、そういい、犯人を励ましたのだった。
そのシーンも、号泣するに十分であった。
そのシーンを読んだとき、みりは、
探偵とは、事件や犯人をあばいて終わりではない、犯人の再出発を、立ち直りを望むのも、
探偵の条件なのだ、と思った。
犯人を追い詰め、自棄や自殺に追い込む探偵や刑事なら、殺人者と同じだよ、ていう、
国民的人気探偵漫画『名探偵カナン』の主役
カナンのセリフも思い出した。
みりは少しの間涙を流してから、眠りに入る。
リオンと、飼い主の男の子と、リオンのかかりつけの獣医と、獣医の親戚の子と、みりと、真里奈と、朋子たちで
野原でハイキングをしている、暖かな夢を見た。
夢の中ではリオンは元気であった。
翌日、みりが両親にも、ゆずの動物カルテを貸すと、両親も、読むうちに号泣し、しばらく、止まらなかった。
『わんこ、無事に天国たどり着いたといいねえ。人間には、いじめるやつや
思いやりのない最低な奴もいるけど、
猫やわんこって本当、優しい動物だねえ
わんこや猫って優しいな。』
両親も、動物の優しさと、動物と人間の絆に
心を動かされた。
のちにゆずの動物カルテは、大手の映画会社のジブレによって
アニメ映画化された。
すぐさま、中国、台湾、韓国やシンガポールでも上映され、興行収入は1000億円をこえた。
みりは自室で、眠る前に、ゆずの動物カルテノベライズ版の、1話を読んだ。
ずっと飼い主の男の子を守ってくれた母親みたいな大型犬が、人間で言えば80歳以上のおばあさんで、もう長くないため、飼い主の子は、今まで守ってくれていた大型犬を安心させるためにも、いじめっ子たちへ初めてひとりで立ち向かう、ていう筋書きである。
みりは読んでいるうちに、泣けてきた。
とくに、飼い主の男の子が、いじめっ子3人のうちのリーダー格の子に体当たりし、
『僕の飼い犬を、そんなふうに貶めるな!
僕はお前らなんかに負けない、二度と!』
と大声で叫び、
そしてリーダー格の子の胸ぐらを掴み、
怒りと悲しみに満ちた訴えるような眼差しで
『だって、僕が勇ましくならないと、リオン(飼い犬の名前)が安心して、天にいけないから!』
と叫ぶシーンでは、
涙腺が決壊した。
そのシーンでは、体も大きいうえ年上のはずのいじめっ子3人は、飼い主の男の子に圧倒されているし、リーダー格の子は、
『い、いてーじゃねーかよぉ‥』とつぶやく。
そして、リオンのかかりつけの獣医が、やってきていじめっ子たちにガツンと一喝するシーン、
いじめっ子たちが逃げたあと、リオンが最後の力を振り絞り、飼い主の男の子に抱きついてくシーン、
飼い主の男の子とリオンが抱き合って、二人で生きてきた大切な幸せな時間を思い出しているシーン(そのシーンの挿絵では、リオンは全て包み込むように、この上なく暖かな穏やかな眼差しをしていた)、
そして飼い主の男の子が、
『リオン、ずっと僕を守ってくれて僕のわがままも聞いてくれてたね。ゴキブリが出た時も守ってくれて、ずっと僕を包み込んで守ってくれてたね、
ずーっと。
ありがとう、
これが最後、いけ、リオン、僕もう平気だから、
安心して、天に旅立って!』
といい、リオンが目を閉じ、次の瞬間リオンの
両腕が飼い主の子から離れたシーンも、
本当に泣けた。
漫画とわかってても、それでも、
感動が止まらなかったからだ。
リオン、死んでしまったよ、リオン死んでしまったよぉ。わんちゃん死んでしまったよぉ。ワンちゃん、死んじゃったよぉ、ワンちゃん、死んじゃったよお、
せめて飼い主の子が成人式迎えるまでは生きてて欲しかったよぉ、
リオン、わたしもリオン、決して忘れないよ、決して、リオンのこと忘れないよ。迷わないで、天にたどり着いたよね。
あと、星守る犬のあのワンちゃんも
無事にお父さんのいる虹の橋の向こうの綺麗な場所にいったよね。(星守る犬は、みりのお父さんが持ってて、お父さんも泣いて読んでいた。
とくに、ワンちゃんが、キャンプに来ていた親子から薪を投げられ、
『僕の目はつぶれて、歩くのすらつらくなってきて、体も重たくなってきた。おとうさんのいる車へはやくもどろう』という
文章で、みるみる、お父さんもみりも堪えきれず泣き出した。
薪を投げつけられ、目がつぶれて歩くのもつらくなったなんて、ワンちゃんがあまりに気の毒すぎて。)
みりはしばらく(ゆうに300分)泣きつづけたあとベッドへ入る。ワンコが死んでしまったことが悲しすぎて。
ワンコは銀河系1優しい生き物なのに。
ベッドへ入ると、以前読んだミステリのヒロインのセリフも思い出した。
『死ぬなんて考えてはダメよ、生きてればきっと、やり直すことだってできるわ、だってあなたはまだ存分に、若いんだから!死ぬなんて考えては、いけないわ!』
探偵を名乗る11歳のヒロインが、犯人が自殺しようとした時、そういい、犯人を励ましたのだった。
そのシーンも、号泣するに十分であった。
そのシーンを読んだとき、みりは、
探偵とは、事件や犯人をあばいて終わりではない、犯人の再出発を、立ち直りを望むのも、
探偵の条件なのだ、と思った。
犯人を追い詰め、自棄や自殺に追い込む探偵や刑事なら、殺人者と同じだよ、ていう、
国民的人気探偵漫画『名探偵カナン』の主役
カナンのセリフも思い出した。
みりは少しの間涙を流してから、眠りに入る。
リオンと、飼い主の男の子と、リオンのかかりつけの獣医と、獣医の親戚の子と、みりと、真里奈と、朋子たちで
野原でハイキングをしている、暖かな夢を見た。
夢の中ではリオンは元気であった。
翌日、みりが両親にも、ゆずの動物カルテを貸すと、両親も、読むうちに号泣し、しばらく、止まらなかった。
『わんこ、無事に天国たどり着いたといいねえ。人間には、いじめるやつや
思いやりのない最低な奴もいるけど、
猫やわんこって本当、優しい動物だねえ
わんこや猫って優しいな。』
両親も、動物の優しさと、動物と人間の絆に
心を動かされた。
のちにゆずの動物カルテは、大手の映画会社のジブレによって
アニメ映画化された。
すぐさま、中国、台湾、韓国やシンガポールでも上映され、興行収入は1000億円をこえた。