ダイヤモンドの未来
先生が私のベッド周りのカーテンから出ると、隣の女子高生優奈ちゃんが声をかけてきた。

「先生、私パスタ好きです。」

前から大沢さんも、

「私は、お寿司。先生よろしくね。」

あー、うどんて失敗したかも。

パスタの方が答えとしては、可愛い。

うどんて色気なさすぎる。

とは言え、好きなものはしょうがないし、色気なんて考えている場合じゃないと思い直す。

「別におごる訳じゃないですし。」

と笑いながら先生。

「香江さんいいなぁ、先生主治医で。」

優奈ちゃんが言っている。

「先生、何才くらいまでOK?」

ズバッと聞けるなんて、怖いものなしの高校生の特権。若さだなぁ。

「うーん、7歳差くらいかなぁ。上も下も。」

「えー、だめじゃん。」

そして、先生は意味ありげに、私のベッドを覗き込み、目を合わせると、試すような笑顔を投げかけてきた。

私は今24。先生は31。あえて、5歳とか10歳ではなく、7の意味…。 

ぐるぐる考える私を置いて、先生は病室を出て行った。

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