ダイヤモンドの未来
診察室で泣いていた香江。

タオルを顔に押し当てて、涙を見せることはなかった。

抱きしめたいという衝動に駆られたが、医師として踏みとどまった。




真美の家で、偶然鍋を食べることになったとき、緊張しながらも、素の表情を少しだけ見せてくれた。

そして、料理がうまかった。

結婚をアピールするための料理ではなく、そもそも真美と食べるために作った素の料理。

胃袋を掴まれるとはこういうことかと、実感した。


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