ダイヤモンドの未来
「痛みはどう?」

足は全然痛くない。

「痛くないです。」

「手術は無事終わって、ピンも二本ともきれいに抜けたよ。

麻酔がまだ残っているから、まだ痛みはないかもしれない。

点滴で痛み止めも入れてるけど。

麻酔が切れると、二センチくらい切ってるから、どうしても痛みは出ると思う。

薬を調整するから、痛かったら、遠慮なくコールして。」

「…はい。」

すると、耳元に先生の顔が近づき、囁く。

「今日、当直だから。

いつでも呼んで。

ずっといるから。」

そして、離れるときに、唇が頬をかすめた気がした。

思わず、先生を見上げると、「うん?」というようないたずらっぽい笑顔を浮かべていた。

偶然?とは思えないが、何も言えず、じんわりと頬が赤くなりうつむいた。

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