ダイヤモンドの未来
「診察させてほしいんだけど、
さっきみたいに、ベッドに座ってくれる?」

きた………
触られたくない。
怖い。
動けない。


「足の状態をよく診せてほしいし、少し動かしたいんだけど。
ちょっとだけ、触らせて。」

変わらず、優しい口調で説明してくれる。

動かなきゃと思うのに、立ち上がることもできない。

先生が、ベッドの下から10センチくらいの台を引き出した。

「じゃあ、そこに座ったままでいいから。
靴下脱げるかな?
足はこの台の上に。」


それでも、動けない。


心の中で、すみませんを繰り返す。


声も出せない。


< 19 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop