ダイヤモンドの未来
「いっしょに熱測ろうか。」

妙に明るい声とともに、ベッドに腰かけた私の後ろに回り込み、後ろから抱きしめるような体勢になる。

一気に、心臓がドキドキしはじめ、顔が赤くなってくる。

熱上がっちゃう…。

浅く座った私を、後ろから抱く先生。

長い足が、左右に投げ出される。

ベッド脇にあった体温計を手に取り、

「ちょっと失礼。」

と、昨日の夜寒気がしたため、一番上まで閉めていたパジャマのボタンを2つ外される。

手の動きに、ドキッと心臓が跳ねる。

左手を軽く持ち上げられ、体温計を左の脇に差し込まれる。

先生の左手で、肩の下あたりを、脇から体温計が落ちないように押さえられる。

先生の右腕は、私を抱えるように、お腹の前に回る。

顎を頭に乗せられる。

あったかくて、恥ずかしくて、緊張して、風邪以上にドキドキ、ぐるぐるしてきた。

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