ダイヤモンドの未来
「すみません。」

我に返り、先生に靴下を履かせてもらうなんて、何をさせているんだと思う。

先生は特に気にした様子もなく、

「その場しのぎだけど、これ履いてみて」

と左右に金属の支柱が付いた厚いサポーターのようなものを取り出す。

そして、再びしゃがみ、履かせてくれる。

「捻挫のときの支えや予防に使うんだけど。

靴ひもを緩めれば、履けるかな」

と靴を手に取る。

慌てて、

「自分でやります。」

と靴を受け取った。



「じゃあ、ゆっくり履いてみて」

と、先生は椅子に座り、カルテを入力しはじめる。

なんとか、靴が履け、先生を見るとちょうど入力も終わったようだ。

「ちょっと、立ってみて」

そっと、立ち上がる。

「どこかあたっているところない?」

「大丈夫です。」 

「じゃあ、座って。説明するね。」

一段と緊張が増す。

ゆっくりと腰を下ろす。
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