ダイヤモンドの未来
「俺、病院臭い?」

「そんなことないです。いい匂いです。」

「どんな?」

「香水つけてないですよね?」

「ああ。」

元々香水は好きじゃない。病院で働いているし。

「でも、大人の男の人って感じの匂いがします。」

「どんな匂いだよ。誰と比べてるの?」

ちょっと意地悪く言ってみる。

「あっ、えっと、比べてないです。あったかいっていうか、安心するっていうか…」

案の定、焦って話し始めた。

こういう状況になると、普段あまり話さない香江が、焦り、なんとか誤解を解こうと言葉を重ねる。

漏れてくる本音が可愛い。

あったかくて安心する…?

「それ、抱っこの感想なんじゃ。」

「抱っこも好きですけど、あっ、えっと、いい匂いです。」

抱っこ好きなんだ、抱っこも?ってことは、匂いもってことか…思わずニヤニヤしてしまう。
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