ダイヤモンドの未来
「あっ、何でもないです。」 

つい、焦ってしゃべり過ぎてしまった。

「ミッションて何?」

面白そうな顔で追及される。

具合が悪いときに追及してくる医者の顔とは違うけど、これはこれで逃れられない。

彼氏の顔なのかなぁ…

「えーと、バレンタインだから、隼人さんのこと、誘って、チョコをあげて、えっと…言いたかったんですけど…。」

「うん、何を?」

口の端を上げながら、首を傾げる先生。

「…」

「台所で言ってくれたこと?」

やっぱり、分かってたんだ。

ますます真っ赤になって俯く私を、ぎゅっと胸に押し付ける。

「ベッド行こうか?」

「…」

かすかな、私の頷きは密着しているから伝わったらしい。

「ベッドでいっぱい言ってくれる?」

顔から火が出るってこういうことっと、体感した。
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