ダイヤモンドの未来
ふと、思いついて、ベッドヘッドを背にして、足を伸ばすように座る。

そして、香江を俺の足を跨ぐように引き寄せ、向かい合う。

いきなりの体制に、かなり挙動不審の香江。

体重を俺の足にかけていいか迷っているらしく、膝立ち状態で、足がプルプルしている。

うろうろと視線をさまよわせるが、俺の方は向かない。

この態勢だと、ちょうど目の高さが同じくらい。

困惑している香江をさらに引き寄せ、座らせて問いかける。

「落ち着かない?」

「すみません、なんか…」

と言いながら、身を引こうとした香江が、後ろにグラッとバランスを崩しそうになり、抱きしめ直す。

どうしていいか分からなそうな香江の手を、俺の背中へ回させる。

すると、その手にぎゅっと力が入り、俺の心拍数も上がった気がする。
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