ダイヤモンドの未来
「今日は熱はないから、こっち向き。」

と、笑いかけてみた。

「いつも、何も出来なくてすみません。」

妙に神妙な声が押し付けた胸元から聞こえた。

「そんなことないよ。いつも、気持ちよくしてもらってる。」

かぶりを振る香江。

自分で言っておきながら、こんなことを言える自分に感心してしまう。

少しでも香江にリラックスしてほしい。

抱くのは今日で三回目。

香江にとっては、文字通りの三回目。

さすがに、いきなり、色々は無理だろう。

「徐々におねだりするよ。色々教えていい?」

「…はい。」

妄想が膨らむ自分にストップをかけ、理性を取り戻す。

「じゃあ、今日は…キスしてくれる?」

身体を離して、そっと覗き込むと、頬が真っ赤になっている。

そして、そのまま固まってしまった。

後頭部に手を回し、そっと促し、目を閉じる。

香江の唇が、ふんわりと触れた。

そして、そのまま所在なさげに離れようとする。

その唇に角度を変えて、口づける。
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