ダイヤモンドの未来
「夕方入院した新患の大崎さんの処方見てくれた?」

「はい、さっき確認しました。薬局に戻ったら、すぐ病棟に薬持ってきます。」

「ごめんね、遅い時間に」

もう、18時。薬局の定時はいちお17時半。

「いえ…」

新患は先生のせいじゃないのに…

気の利いたことも言えず口ごもる。

顔は見られない。

術衣の胸のあたりを視線をさまよわせる。

むしろ、新患の処方が出たことを声をかけてくれるなんて、ありがたいくらいだ。

気づかなければ、薬剤師の問題だから。
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