ダイヤモンドの未来
沈黙を破ったのは先生だった。

「足はどう?」

やっぱり聞かれる。

「サポーターも使ってるので、前よりは楽です。ありがとうございます。」

「痛みはゼロじゃないよな?」

「はい。」

「ピンの抜けてる辺りの痛みはどう?」

「えーと…」

「強くなってきた?」

「…はい。」

嘘はつかないと最初に言われたせいか、この間の問診のような雰囲気にうまく誤魔化すことができない。

「オペは考え中?」

「すみません。」

ますます、声が小さくなる私に、先生は話題を変えた。

「ちょっと寄り道していい?」

とスーパーの駐車場に車を停め、

「待っていて。」と。

戻ってきた先生は、スーパーの袋には、ビールやお酒が入っているらしい。ノンアルコールも入っているみたい。

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