ダイヤモンドの未来
今年は、逃げられそうにない。

インフルエンザは、一本の瓶に、2人分のワクチンの量が入っており、一度開けてしまえば、その日のうちに使い切らなければならない。

そうしないと破棄することになり、病院の損となる。

町の開業医では、インフルエンザ接種ペア割引をしているところもあるくらいだ。

この時期は、院内でも、
「残っているから打たないか」
と声をかけられることも多い。

だから、先生は、先生と私で使い切れるようにしようと、言ってくれたわけで…。

遅い時間に残れば、外来にも迷惑だし、診察は先生がしてくれるはずだから、きっと大丈夫と自分に言い聞かせる。


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