ダイヤモンドの未来
「ちゃんとって。」
先生がおかしそうに笑っていた。
「私、何度も受診するように言われたので…」
「あー、聞いてる。色んな人に香江ちゃんの足を何とかしろって言われたから。人気者だね。じゃあ、座って。」
「…いえ。」
(とりあえず、笑ってやり過ごしているだけです。)
とは、言葉に出来ず。
患者用の丸椅子に座る。
診察しやすいようにとはいえ、
先生の背もたれのついた、がっしりした黒い椅子、
私の座るグレーの回転できる丸椅子、
患者であることを強く意識する。
先生がおかしそうに笑っていた。
「私、何度も受診するように言われたので…」
「あー、聞いてる。色んな人に香江ちゃんの足を何とかしろって言われたから。人気者だね。じゃあ、座って。」
「…いえ。」
(とりあえず、笑ってやり過ごしているだけです。)
とは、言葉に出来ず。
患者用の丸椅子に座る。
診察しやすいようにとはいえ、
先生の背もたれのついた、がっしりした黒い椅子、
私の座るグレーの回転できる丸椅子、
患者であることを強く意識する。