ダイヤモンドの未来
「ちょっとだけ、足見てもいい?」

「はい。」

「じゃあ、ここに。」

先生は、足を置く台をベッドの下から出してくれる。

私は自分で左足の靴と靴下、サポーターを脱いだ。

そして、台に足を乗せる。

「おっ、成長してるね。」

からかうように言う先生。

自分で出来たことを褒められたらしい。

瞬時に真っ赤になったのが分かる。

「ちょっと触るね。」

先生は、台の横にしゃがみ、つま先とふくらはぎあたりに触ると足の様子を診ていた。

「つま先動かせる?」

前回よりは少しは動く気がする。

「痛みはどう?」

「前よりは…」

「少しは減った?」

「はい。」

「ピンのところの痛みは?」

「変わらないです。」

「そっか。じゃあ、診察はおしまい。
靴とか履いて。」

カルテを入力する先生。

ごそごそと靴を履く私。

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