ダイヤモンドの未来
お世話になっている上司や医師、師長に挨拶に行った方がいいことは分かっている。

けれど、私は、なかなか動けない。

うまく、流れに乗って動いている人がうらやましい。

とりあえず、ドクターのテーブルに近づくのは断念。

絶対に無理。

比較的、前の方の席の整形外科の看護師長に挨拶し、そそくさと席へ戻る。

澤田先生は整形外科はもちろん、他科のナースに囲まれているのが見えた。

車の助手席に乗せてもらって、イルミネーションを見たのが嘘みたい。

とは言え、オペの説得のためのイルミネーションだったけど。

来年のイルミネーション…

誰かと見られるのだろうか…。

先生だったら、いいなという気持ちがどこかにあった。

でも、これ以上、その気持ちを育ててはまずい。

あのハーレムに踏み込む勇気はない。

しっかりと心に留めて置く。
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