ダイヤモンドの未来
外来の師長も回ってきた。

慌てて立とうとするも、やっぱり制されてしまう。

「 オペするんでしょう、よかったね。」

「何度も言われたのに、すみません。」

「いーえ、澤田先生なら安心だしね。」

その根拠は何だろう…。

無言の私の思いを読み取ったように、

「澤田先生の処置は丁寧だけど早いし。患者さんへの説明はきちんとしてるしね。まぁ、アプローチにはクールだけど。」

と、前の方を見た師長。

視線を追うと、相変わらずナースに囲まれる先生が見えた。



その後も、

何人かのスタッフに声をかけられ、

「オペ、がんばって」

と言われた。


帰り道、息も白くて、足も痛いけど、ちょっと温かい気分になった。


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