恋は盲目 Ⅲ 〜密やかな愛〜


「そうね。それが早いわね‼︎報告もする

ついでに、結婚式場の下見がてら寄った

ってことにすればいいんじゃない⁈それ

で、私の妹も紹介するってことで一緒に

行けば、怪しまないでしょう」


「それがいい。さすが凛だな」


「見ているだけで幸せなのに…」


「あいつと仲良くなれるチャンスなんだ

けどな…」


ウッ。


魅力的な言葉をつぶやく浩輔さん。


「とりあえず、親戚になるわけだし会っ

てみなさいよ。それで、どうするかは美

鈴しだいよ」


説得され頷くしかなかった。


「それじゃ、善は急げっていうから今か

ら行くか⁈」


「えっ…今から」


「とりあえず、私が作ったビーフシチュ

ー食べてよね」


『「いただきます」』


姉の一言で目の前にあるシチューを食べ

始めた。



******************



その日の夕食の時間帯にコンフォルトに

3人で向かった。


「いらっしゃい…ませ」


「よっ…」


浩輔さんと大輔さんがお互い挨拶をする

と姉が大輔さんに背後から声をかける。


「大輔くん、久しぶり」


「そろって…⁈」


大輔さんと目が合う。


浩輔さんが大輔さんの視線に気づいた。


「あぁ、この子美鈴ちゃんっていって凛

の妹なんだよ」


「こんばんは」


「こんばんは…君は、たまにお店に来て

たよね」


覚えていてくれたことがうれしい。


「はい…」


「なんだよ。2人、知り合いなの⁈」


浩輔さんが、わざとらしく惚ける。


「お客の顔を覚えるのは当たり前だろう」


そうだよね。


「ふーん。…まぁ、美鈴ちゃん俺の妹に

なることだし、お前も仲良くしてあげて

くれよ」


「お前のいもうと⁈」


「凛と結婚することになったんだよ。そ

れで、今日は、下見がてらお前に美鈴ち

ゃんを紹介しようと思って連れてきたん

だけどな…」


私を見て微笑む浩輔さん。


「美鈴も、大輔くんと顔見知りなら教え

てくれればいいのに…」


姉が浩輔さんに続いて拗ねたようにつぶ

やく。


企みを知っているだけに、胸が痛む。


「もう、お客と従業員の関係だから知り

合いってほどじゃないもの」


「でも、これで顔見知りだし浩輔の妹に

なるなら、俺の妹も同然だ……よろしく

な」

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