恋は盲目 Ⅲ 〜密やかな愛〜

大輔が止めるまで続いたキス


あんなに愛されている早希ちゃんが、羨

ましく思う。


「よかった…早希ちゃん幸せだね。大輔

…私、今の仕事辞める。ここでたくさん

の人に幸せな気持ちになってほしい。マ

スターが言ってたでしょう。ここは、お

客さんの癒しの空間…。少しでも心が穏

やかになれるように接客するのがスタッ

フの仕事だって…。何かのきっかけでも

いいから飯島さんと早希ちゃんのように

幸せを感じてまた、ここに来たいと思っ

てもらいたい。だからここで働きたい」


私の思いが伝わっただろうか?


「わかった。お前の好きにしろ。ただし

特別扱いはしないからな」


口角を上げ笑みを浮かべる大輔。


ここが店だということも忘れはしゃぎ抱

きついてしまった。


呆れている大輔が呟いた。


「美鈴…今の仕事辞めたら籍だけでも入

れるからな」


「えっ…どうして⁇」


「お前が俺のものだって印がこの指に必

要だろう」


私の左手をとり薬指にキスする大輔。


「…大輔、ここお店なんだけど」


頬を染めあたりを見回すと店中の視線を

集めていた。


「いまさらだろう。お前が抱きついて来

た時点で注目の的だって…」


スタッフと常連客の視線の中で宣言する

大輔。


「幸せにする。みんなが証人だ」


たくさんの人の拍手が送られた。


私の肩を抱き、唇に熱いキスをする大輔

は、マスターとしての立場を忘れている

のではと思うぐらい熱烈なキスをする。


誰も止められない2人の空間をまわりが

呆れて会話に夢中になる迄続いたそれは

………


誓いのキスだった。


永遠に…あなただけを愛している


見つめ合い、愛を誓う2人を邪魔するも

のは、誰もいない。





コンフォルト

そこは、癒しを求め訪れる憩いの場

疲れた心を癒しに訪れてみては⁈

幸せのおすそ分けをもらえるかもしれま

せん。
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