悲しみの側で咲く命
私は彼の決死の覚悟を捻り潰した
これは罪になるんだろうか…
でも、よく考えてみると、あれは彼の一時の気の迷いだったのではないかと思う
精神状態やタイミング…色々な事が重なって偶然起きたのだと…
青白く、まっすぐ伸びた彼の手を見た
目を覚ましたとき、彼は何と言うだろうか
絶望の淵に立たされているのかもしれない…いや、きっと立たされているんだ
支える覚悟は出来ている
偽善ではないと、私は彼に伝えたかった
私は青白い手を包み込むように両手でぎゅっと握った
そして、あの日の感覚を思い出した気がした
隣に居る男は、私の姿を見て、ゆっくりと頷いた