悲しみの側で咲く命




私は彼の決死の覚悟を捻り潰した
これは罪になるんだろうか…


でも、よく考えてみると、あれは彼の一時の気の迷いだったのではないかと思う

精神状態やタイミング…色々な事が重なって偶然起きたのだと…



青白く、まっすぐ伸びた彼の手を見た


目を覚ましたとき、彼は何と言うだろうか

絶望の淵に立たされているのかもしれない…いや、きっと立たされているんだ


支える覚悟は出来ている

偽善ではないと、私は彼に伝えたかった


私は青白い手を包み込むように両手でぎゅっと握った

そして、あの日の感覚を思い出した気がした



隣に居る男は、私の姿を見て、ゆっくりと頷いた








< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop