Closed~閉じてる彼ら~
雲の上の城
盗み見る彼は、いつも、眉間に皺を寄せて居た。

何かを睨んで居るような・何かに耐えて居るような─

そんな顔をして居た。





彼の名前は《天城 純》。





この2-Bに・学年に・高校に、彼を名前で呼ぶ人は居ない。

呼び捨てする人も居ない。



先輩でさえ・男子でさえ・教師でさえ《天城くん》と彼を呼ぶ。







「純…くん…」





あたしの、憧れ。

小さく呟くだけ。



満足なんて出来ないけど、これが、あたしの限界。



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